益田安良が語る世界と日本の経済

世界と日本の経済トピックス、特に常識に反する見方を示します。金融システム、国際金融、経済政策が中心になると思いますが、極力幅広く論じます。

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経済論者、益田安良の経済談義。
ご批判歓迎です。

更新情報

日本銀行は、2024年3月19日の金融政策決定会合において、マイナス金利解除と長短金利操作(YCC)・ETF(上場投資信託)等のリスク資産買入れの終了を決めた。植田和男総裁は、2013~23年の黒田東彦総裁時の異常な「異次元金融緩和」政策を、就任後一年でようやく「正常化」できたのである
『実質金利からみる日本経済・株価・為替レート/2022年以降の▲2~3%の実質金利は景気拡大・円安を促進 (2024.3.19)』の画像

筆者は、40年以上のエコノミスト人生において、「過剰債務」を常にウオッチし、警戒してきた。コロナ禍に伴う金融緩和(マネーの大量供給)と拡張財政政策により、主要国で債務と資産が膨張した。そうした金融と財政の異次元緩和が、民間部門の過剰債務をもたらした。 2023年か
『過剰債務の調整は新興国・中国ではなく「米国」から始まる?/米国株式投資のリスク高まる (2024.2.6)』の画像

(1) マクロ経済政策のべき論は「見境の無いリフレ策」から「正常化」にシフト マクロ経済政策が大きな転機を迎えている。政府が公債発行を厭わず歳出を増やし、中央銀行が積極的に公債を購入して市中にマネーを供給しつつ金利をできるだけ低位に保つことにより、名目GDPの拡大を
『金融政策:2022年半ばからプチ引締め、今は中立、水準は超ド級の緩和 (2024.1.14)』の画像

(1) 金融・財政政策のトレンド変化(リフレ政策から正常化へ) 師走になり、金融・財政政策の方向性がにわかに変わり始めた。 日本銀行では、政策委員・総裁・副総裁が(誤解を含めて)「マイナス金利の解除」に対して前向きな発言をしたと捉えられ、にわかに日本の金利上昇期待
『需給ギャップが解消した今では、リフレ派の求める拡張財政・異次元金融緩和は不要に (2023.12.17)』の画像

政府は、11月2日に『デフレ完全脱却のための総合経済対策』を閣議決定した。景気対策の事業規模や、所得税減税の規模・形態にばかり焦点があたるが、そもそも減税や歳出増による総需要拡大策が必要なのか、これまで岸田政権が示してきた基本方針、ビジョンとの整合性はとれて
『過大で的はずれな『デフレ完全脱却のための総合経済対策』/財政による総需要拡大は本当に必要? (2023.11.4)』の画像

世界経済の最大リスクが、新興国の通貨危機から、中国経済に移ってきた。中国経済で「バブルが形成されていたのか」「崩壊したのか」という問については、まだ判定できないというのが誠実な答であろう。しかし、中国で過剰債務が発生していた中で、不動産価格がピークアウト
『中国の過剰債務と不動産価格下落の帰結/バブル崩壊かどうかは定かでないが・・ (2023.9.11)』の画像

(1) アルゼンチンで次々繰り出される興味深い通貨構想 アルゼンチンでは、実にいろいろなことが起きる。年率100%以上もの高インフレ(2023年6月の消費者物価上昇率は前年比116%)を受け、昨年来、通貨ペソは急落している。非公式レート(闇レート)は公式レートの半値以下の
『アルゼンチンのドル化構想・ブラジルとの共通通貨創設を考える/実現性とメリット・デメリット(2023.8.18)』の画像

米国の金融当局が、金融プルーデンス強化策を固めつつある。 2023年3月10日、中堅地方銀行のシリコンバレーバンク(SVB、米商業銀行総資産ランキング16位)、3月12日シグネチャーバンク(SBNY、同29位)が相次いで破綻し、世界に金融危機の恐怖が走った。FRB(連邦準備制度
『米国の金融プルーデンス強化策のポイントと残された課題 (2023.8.4)』の画像

円安が急速に進行している。円/米ドル為替レート(月平均)は、2021年12月には114円/ドルであったが、その後下落し、2022年10月には147円/ドルと1987年以来の円安水準をつけた。日本の当局の円買い介入や、米国金利の上げ止まり観測から2023年に入ると130円台に落ち着いた
『円レート;日米欧金利差による円安が基本だが購買力平価に基く急円高にも要警戒/「8月・円高アノマリー」の根拠は?(2023.7.2)』の画像

5月11~13日、新潟にてG7財務相・中銀総裁会議(以降「G7」と略す)が開催された。G7の課題は多い。まず、シリコンバレーバンク(SVB)などの米国地銀3行の破綻、欧州のクレディ・スイス・グループの危機を受け、世界の金融システムの安定化・健全化への取組みが急がれる。次に
『新潟G7財務相・中銀総裁会議の評価/金融システム強化策・マクロ政策協調より途上国債務対応に成果 (2023.5.15)』の画像

新型コロナウイルスが世界を揺るがし始めてから3年余り。その後、コロナは落ち着きを見せたが、ロシア=ウクライナ戦争、米国、欧州諸国の思い切った利上げ、それに呼応した円安・ドル高、そしていくつかの米国の銀行の破綻、と様々な事があった。この間、日本の経済力は欧米
『日本経済の停滞・地盤沈下の根本原因を探る/拡張政策、無理な賃上げの前に生産性上昇を徹底せよ (2023.4.7)』の画像

ウクライナ=ロシア戦争が膠着状況となり、世界的インフレが長引く中、欧米の金融引き締めが経済の首を絞め、新興・発展途上国の債務問題があちこちでくすぶり、米中対立が深刻化し、世界経済に暗雲が垂れ込める。こうした中、意外にも欧米経済の成長は失速せず、このまま世界
『米シリコンバレーバンク(SVB)を殺したのは誰だ/預金全額保護は正解だが中銀の流動性供給に不備 (2023.3.15)』の画像

(1) 貿易・サービス収支の赤字拡大を所得収支増が支える成熟債権国が鮮明に 2月8日、2022年12月の国際収支統計が発表され、2022暦年の国際収支の数値が明らかになった。国民所得の増加につながる経常収支黒字は、前年
『国際収支から日本経済の課題を考える (2023.2.10)』の画像

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